プレデターへの覚醒エピソード10訪問販売〜プロショップマリン誕生

プレデターへの覚醒(エピソード10)
ある日、私の部屋にTりーが訪ねてきた。
彼はバンド関係の知り合い・・・や〜!どうした?
髪の毛も少し短くなって・・・・スーツなんか着ちゃって・・・・・
しばらく話していると・・・実はさ〜・・・儲け話・・・・え?
回りくどく言うのもなんだから・・・・と、話し始めた。
聞いてみると、二十歳そこそこでベンツを新車で乗っている奴が結構いるらしい・・・・。
それも、仕事を始めて1年位で・・・・体一つで元でも無しでできるって・・・・
後日話を聞きに行ってみた・・・。
ある品物を訪問販売で売ると言う事だった・・・・。
時間も自由で、自分の思うようにやれば良いとの事・・・・
自分次第で、多くも少なくもなると・・・・
一流ホテルで無料セミナーが有り、飲み食いも出来るので何度か行った。
仕組みは、だいたい解った・・・こんな世界が有るんだな〜っと、試しにやって見る事にした。
始めは、やはり売れず・・・・セミナーに通い再度挑戦・・・・するといきなり売れた。
TVでもかなり宣伝されていたので簡単に売れる事も有った。そして時は過ぎて行った。
気が付くと・・・・
同年代の給料分くらいは、早いと30分で稼ぐ事が出来たので、いくつか売れると
その後、調子悪いと・・・ま、いいや今月はすでに金額あるし・・・
と遊んでしまう事も多く・・・・。
結局1年が過ぎ・・・・通帳を見ると・・・・・全然溜まっていない・・・・
やはり向いていない!と止めた。
そしてライブハウスとバイトの日々が続き・・・・
何かバイトは無いか?・・・・と街を歩いていると・・・
小さな釣具店の前にパート募集!と貼り紙が・・・
釣なら嫌いじゃないので良いかも・・・と話を聞きに・・・・
個人経営で他の場所で釣り具店をやっていて、ここもやる事になり、準備をしていると・・・・
パートは掃除とか片づけで、短時間になるけど・・・との事・・・・
私は歌いに行く事も有るので・・・そっちの仕事優先なので短時間で良いです!
と言う事で決まり。
日々は過ぎて行った・・・・。
当時付き合っていた娘が居たが・・・・
こんな稼ぎでは、生活も出来ず・・・・う〜ん・・・と悩みつつ・・・ある日から・・
何だか会えなくなり・・・
これはいったい・・・・・
最終的に、手紙を書く事にした・・・・。
前略○○子様
お元気ですか?
私は今、夜しか時間が作れず悩んでいます。
先日○○子さんの友達からTELが有りました。
あれは・・・・どう言う事なのでしょう、もし 私の考えている通りだとしたら・・・
でも、、傷つけたくないからと言ってましたが・・・それなら何故?
逢って自分で話さないのですか?・・・・・
TELを受けた○○は傷つかないと思いましたか?
あははは…と笑いながら、元気ですか?調子はどうですか?
少年よ!勉強してるか?ありがとうございました!と、言うしかないのです。
ある日○○は、一人の女の子の事が気になってしょうがない自分に気が付きました。
これが恋だと思いました。
彼は彼女が可愛くてたまりませんでした。
二人は休日が違っていました。一日中一緒に居る事は、できませんでした。
夜閉店前に来た彼女と帰り道に食事をすることが出来ませんでした。
今度しゃぶしゃぶでも食べに行こうね!
この時間が1日で一番安らぐ時間でした。
友人の結婚式で○○○万円位かかったらしいよ!
と、言うと、彼女は、その半分位でもできるわよ!
と、言い・・・でも、あの人位派手にやりたいなぁ・・・
一生に一度だからね・・・と彼女は言いました。
そして冬になり彼女の働く場所へセーターを買いに行きました。
何処で買っても良かったのですが・・・・
少しでも彼女のそばに居たいと思い、休みの日に彼女の仕事先へ行き、一緒に
選んでもらいました。
その時、こういう色好きなの!と彼女が一言。
そうか・・・何かの時にはこの色を・・・と心の中で呟いていました。
そして時は過ぎ・・・二人のタイミングが合わなくなってきました。
その日は彼女の仕事先で昼を一緒に食べるつもりでした。
しかし彼は、体調を崩し、その日は、病院へ行き、逢う事はできませんでした。
薬を飲みながら・・・・こうやって逢う時間が減ると、だんだん気持ちが離れて行く・・・・
近くにいる人を見るようになってしまう・・・。
二人は、まだ心が通じ合うにはもう少し時間がいるようだ・・・・。
名前を呼び捨てに出来る位にと思いつつ逢えない日々が続いた。
もう逢えないかも知れない・・・ダメかも知れない・・・・嫌われたかな・・・・・
でも・・・彼女が好きだ・・・まだわからないし・・・
彼女を・・・と決めた娘じゃないか・・・と、一人で考えた時、これが愛なのかなぁ・・・
この気持ちが・・・と、思いました。
しつこくしないようにと・・・・でも逢いたい・・・じゃ・・朝行こう・・・・
そして、小学生の通る道で2時間・・3時間が経ち・・・・もう来ないな・・・・
家には居なかったのかな・・・・?
もう自分の仕事の時間だ・・やっぱり無理か・・・と、思いつつ・・車を走らせた。
そして次の休み、買い物に行き驚かせてやろう!と、出かけ・・・夕方TELすると・・・
もう帰りました。と、言われ・・・・急いで新宿へ・・・
君の帰るホームで、もう帰ったかなぁ・・・と、1時間・・2時間・・今日もダメ・・・
そして次の休み。
水族館でも見ようとサンシャインへ、一緒に帰ろうと思いTEL・・・・
今日は休みです!との事・・・まいった…と、思いつつ・・・・帰宅。
そして次の休み、とりあえず池袋へ到着。
まさか・・・と、思いつつTEL・・・・今日も休み・・・その後も会議中・・・・外出・・・
TELするように伝えて下さい!と、お願いして受話器を置いた・・・。
ベルが鳴ったのは遠い昔だった・・・俺はいったいなんなんだ・・・・・
下手な三文役者・・・ピエロ・・・バカみたいじゃないか、もう疲れちゃったよ・・・・
もう考えるのは止めよう・・・・・・・・・・・・・。
年末朝、体がだるい・・・店に居る時間が長く感じる・・・・・
午後7時頃・・・もうダメだと、言いつつ倒れた・・・・・。
しばらく休み家へ帰った。
生まれて初めてだった。体中が燃えているようだった。
苦しかった・・・もう最後だと思いながら・・・伝えられない自分が悔しかった。
彼女の名前を呼んでも返事は無い・・・・
死んでいく人の所へ呼んでも・・・これじゃカッコ悪すぎる・・・・
2日経った・・・ぼーっとしたまま起き、おかゆを食べ、店を開けに出た。
色々な事が有った・・・そしてあと2日でバースデーと言う日に・・・TELが有った・・・
○○子さんの友達から・・・
そして今まで、TELしても逢う事も出来ないまま・・・
時間の無さを恨みながら過ぎた時間。
きっと、この手紙は渡せるか・・・読まれるかも解らない・・・しかし・・・・
君が好きだ!と言ったあの日から○○子さん以外の人は考えられず・・・
街で会う人TVに出る人が皆、君に似ているように思えて・・・困ったものです。
見合いも断り車を買うのも止めた、今やっと○○○万円たまったけど・・・・
もう必要なくなってしまった・・・・車でも買おうかな・・・・
自分は、今まで何をやっていたんだろう・・・・

今何のために生きているのか・・・生きがいってなんなんだ・・・
自分の一番大切な・・・何処かへ消えて無くなっちまった!
もう判らない・・・・・
♪誰か俺に愛をくれ〜よ♪・・・のカセットテープを添えて、この手紙はポストへ・・・
手紙を出したら・・・なんだかスッキリした・・・・・
翌朝・・・○○子さんから泣きながらTELがあり・・・・・
その後は、しばらくお付き合いしたのですが・・・・別れました。

自分の中で25歳で売れていない場合は歌は諦める事に決めていた・・・・。
気づくと・・・時は過ぎ・・・・25歳になっていた・・・・。
丁度その頃・・・・社長から社員にならないか?
と誘われ・・・・釣り具店の社員になった。
釣り具店は一般釣り具だったのでヘラ・アユ・磯・船・渓流と何でもあった。
店長となり、釣り具ショップマリンをやっていた・・・・。

店内はルアーのスペースも増やし・・・
何人かで一緒に釣りに行くようにもなった。
春先などはバスのナイターにも行きミノーをゆっくり引くだけで大型のバスが釣れた。
毎日のようにナイターに行き・・・・
3日も続くと、さすがに疲れ・・・翌日定休日の日は寝る事に・・・
しかし、そう言う時に限って・・・・明日はブラウンを釣りに本栖湖へ行きましょう!
と、誘われ・・・・丁度良い季節ではあるが・・・・僕が車運転して行くので行きましょう!
そこまで言われると行かない訳には行かず・・・・行った時が有った・・・・・。
空がしらじらする頃から始め・・・・天候も曇って風が有り絶好の条件なのだが・・・・
釣れない・・・この風と波なら・・・・あそこをチェックして・・・・ダメなら・・・
あの奥だろう・・・・・と手前から始めた。
しばらくして同行のN君が・・・どうですか?と、戻って来た。
ダメだけど・・・あそこが怪しい!
と話すと・・・・そうですか・・・と歩き始めた・・・・・?・・・・・・?
あっ・・・ポイントへ向かっている・・・やばい!・・・・ルアーを巻き取り・・・・追って行く・・・・
追いついたかと思ったら・・・すでにキャストしていた・・・・そして・・・・あっ!どうした?
きった〜!来ました〜!ドボッ・・・ドボッ・ドボッ・ドボッ・ドボッ・・・・・
デカイブラウンがヒットしている・・・なんと〜・・・自分が釣る予定だったのに・・・・
ア〜・・垣さ〜ん・・・・助けて〜・・・一瞬・・・どうしようか悩んでしまった・・・・
しかし、これでバレたら・・・・問題・・・・ロッド倒して・・・・こっちへゆっくり・・・・
水の中へ入り魚を抱えて岸へ・・・ドンッ!獲った〜!
やった〜!・・・嬉しい〜・・・N君は震えていた。
垣さん!もう一匹見えたから投げてくださいよ!と・・・・
これだけ暴れた後で・・・・釣れる訳ないよ!・・・と、思いつつ・・・
釣り人は投げてしまうのでした。
しかし・・・・やはり釣れませんでした。
剥製にしたいとの事で、大きなビニール袋に傷がつかない様に居れて帰りました。

そして時間は過ぎ・・・琵琶湖や池原にも行った。
レイクトローリングを教えたり、ヒメトロを教えたり・・・・
これも釣れ出すと、忙しい位に連続ヒットとなるのでハマってしまう人も多い・・・
ゴールデンウイークの頃だったか芦ノ湖でスポニチカップが開催され皆で出場した。
当時ルアーを始めて1年のT(私の同級生)を連れて行った。
ボートでポイントに走り・・・あそこへ投げて!ゆっくり巻いて!・・・
と、3ん投目位だったか・・・来た!・・・どうすればいい?・・・ドボドボッ・・・・
デカイブラウンがヒット!
やった〜!いきなりデカイ奴を釣ってしまったのです。
当日この魚が優勝魚になった。本人は体の震えが止まらないようだった。
私はレインボーのデカイ奴を釣り、他船で出ていた仲間もデカレインボーと、ブラウン・・・・
結果的にレインボーとブラウンで上位をマリンから出た人たちで独占してしまったのです。
それを見た当時のマリンの社長はビックリ!チームマリンだね!と、一言・・・・。
後にチームマリンのジャンバーを作ったのでした。
私も釣りに行く時は来ていました。
そして夏には、フィッシングと言う雑誌の取材が有り、朝はカキプロミノーやマロペン
(ハンドメイド)で釣り、日中はゲーリーヤマモトのフラグラブ(5インチ)をジグヘッドリグ
でバスを釣っていた。
夕方になり、終了すると・・・はい!これ!・・・え?なにこれ?・・・・
今日の事がだいたい書いて有ります。
それをもっと詳しく説明を入れて○日までにまとめて送って下さい!との事でした。
え〜・・・・記者が書くんじゃないの?俺が書くの・・・・・ショック・・・
数日間眠れぬ夜が続きました。
そしてこの頃、TBと言う雑誌でバスの日本初のトーナメントが開催された。
当時はバスプロもまだなかったので、参加者は、一般釣り人・腕に自信がある人が出ていた。
私も宣伝の為に行ける時は出場した。
しかし、開催日が日曜だったので店も休めず・・・あまり出れなかった。

そして時は過ぎ・・・・あるお客さんがボートを買ってくれることになり・・・・
私としては初めての高額商品・・・・これは・・・・
自分でやらなければモッタイナイ・・・と、思い・・・・・しばらく考えた・・・・。
この仕事を始めて仕事終わるのが10時過ぎとなり・・・それから遊びに行くと・・・・
友達は、すでに飲んでいて合流して少しで明日も仕事だからこの辺で!
と、終わってしまうのでした。
休みの日に釣りに行くだけで、特別欲しい物も無く・・・
夜遊びもあまりしなくなり・・・・
お金を使う所が無かった・・・・
気が付くと今まで生きてきた中で一番お金が通帳に溜まった。
大した金額ではないが・・・・。
そして、決心して社長に自分でルアーの店をやりたい!と話した。
社員になった時に社長から、自分でやりたくなった時は、その時はいつでも言ってくれ!
って言われていたので・・・・しかし、そんなこと考えていたのか?と、言われ・・・・
いつでもって言ってたのに・・・と、心の中で・・・・
そして数日過ぎ、私が必要な商品を買い取りその他にいくらか払って決着!
と、言う事になった。
私の貯金では資金は足りないので・・・
銀行が実績も無い私に貸してくれるわけも無く・・・・
実家の父に不足分を借りて開業する事になった。
1988年6月プロショップマリン誕生!
そして、ボートも売れ・・・・順調に行くかと思ったら・・・意外と利益が無く・・・・
開業してから儲からない仕事だ!と、痛感した・・・・。
当時は、ABUが全盛の頃で、正月明けには、いつも来る中学生たちが 
お年玉を持って・・・・・
ABU下さい!2500C下さい!1500C・・・・と買ってくれたものです。
正直助かりました。
当時ABUのリールは、軽いルアーがバックラッシュしないで遠くへ飛び、使えば使うほど
メンテナンスさえしていれば壊れないし、どんどん良くなる!というリールでした。
国産のリールよりも高くてもこれなら!と、皆が買ったのです。
現在は既に逆転していて国産の方が良い気がしますが・・・・
大晦日から元旦の本栖湖へ中学生を連れて行ったな〜・・・・
キャンプ用の小型コンロもって・・・
コンビニで餅を買って・・・・さ〜料理・・と思ったら・・・・
調味料が何もなく・・・・味がしない・・・・
カップラーメンを入れ水を足し餅を入れて煮込んだら・・・意外と旨かったな・・・。
と、色々な事があったな〜・・・・

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